手術による合併症は、脳を栄養している血管や脳神経が障害される脳梗塞や脳出血脳、脳神経障害や感染、術後長期に継続する創部の疼痛があります。手術や術後の経過で、治療している原疾患が原因として発症する病気や症状も含まれます。また、手術を行なった脳には問題なく偶然に他臓器の症状が出現する場合を偶発症と呼ばれますが、合併症に含むか否かは意見が別れています。
最大限に注意を払い最善の治療を施したとしても疾患の種類や状態、大きさなどにより回避する事が不可能な場合(医療の限界)があります。執刀医のスキルや経験などで回避できる合併症から未熟に起因する合併症まで存在してします。
これらによって合併症の意味が複雑になり混乱しがちになります。ここでは手術が原因となって手術中か手術後に起こる病気について説明をします。
脳動脈瘤から脳腫瘍まで、執刀経験数では約1500症例以上の手術をこなしてきました。私の治療の最大の特徴は、手術件数が多い事だけではなく合併症が少ない事です。実際に関わった手術経験や受けた質の高い指導は、事前に手術リスクを評価するための大切な知識になると考えています。技術と具有する脳外科医でありたいと思っています。
手術の多い施設に勤めていても執刀経験が少ない場合もあります。「合併症の少ない手術」に関わる大切な事は、熟練した医師の指導を受けている事、執刀した手術症例数が多いという事、手術中のリスク判断が十分できる事、リスクと治療効果のバランスを考え、患者さんの人生に疾患や治療の影響がない状態を目標にできる事と考えています。そして、患者さんから感謝される治療を心がけています。