脳外科手術での全身麻酔

外来の手術相談の際に、全身麻酔に対する心配をされている患者さんやご家族がいらっしゃいます。全身麻酔は、麻酔科医の説明がありますが、簡単に説明します。

治療のために行う手術での痛みを含むストレスを患者さんが感じない様にするために、麻酔薬を投与します。麻酔には、「全身麻酔」と「局所麻酔」がありますが、脳外科の手術で用いる麻酔は、ほとんどが「全身麻酔」です。

体の一部だけ感覚を鈍らせる(失わせる)「局所麻酔」があります。脳だけに局所麻酔をする事はできません。よって、全身に麻酔をかける「全身麻酔」となります。麻酔薬投与後より意識が消失します。手術終了後に麻酔薬投与を止めた後に目を覚ます事になります。

だんだん眠くなり、目が覚めたら手術が終了しています。局所麻酔では、局所の痛みがなくなりますが、意識はありますので緊張したり、手術器具の操作する音や会話が聞こえます。治療が終わってから目が覚める全身麻酔は手術中の心的負荷はありません。

全身麻酔開始から麻酔後の嘔吐を防ぐ目的で、手術前日の夜から水や食べ物を摂取する事はできません(薬を飲むなどの例外あり)。

 手術室内入口にて、看護師さんに名前等の確認をされ手術を受ける部屋に行きます。看護師がゆっくり手術ベットに上がって横になるようにサポートしてくれます。心電図、血圧計をセットして後に麻酔科の先生が酸素マスクを口にあてますので、ゆっくり呼吸をして頂きます。「今から眠くなる薬を入れます」「ゆっくり数を数えて下さい」などの声がかかったらすぐにて意識がなくります(麻酔の薬が、体内に入ります)。そして、意識が戻った時には手術が終わっています。

患者さんの全身麻酔による効果と状態が安定している事を確認します。次に手術に必要な体位をとります(仰向け/横向き/うつ伏せなど)。手術する部位や方法により異なります。その後に手術器機を手術室に搬入します。全てが整っている事を確認出来たら、手術が開始されます。手術室に入室してから約1時間後には、手術が開始されます。手術に要する時間は、疾患名や部位、患部の大きさ等により異なります(手術前の説明時に確認して下さい)。

手術が終わり全身麻酔より目覚めると、疾患や症状から開放されています。