転移性脳腫瘍


他臓器の悪性新生物(癌:がん)が、頭蓋内(脳)へ転移したものです。

約50%が、癌(がん)の治療後に発見されます。約20%が、癌(がん)と診断された時、もしくは癌(がん)が発見される前にみつかります。脳に癌(がん)の転移が見つかった場合、脳以外にも転移している可能性が高いので、全身の癌(がん)転移の検査が必要です。 

脳だけではなく、頭蓋骨にも転移する事があります。


原発巣は、約50%が肺癌、約9%が乳癌です。

転移は、1箇所(単発性)が約60%、多発性が約35%です。


転移性腫瘍は、5㎝を超えると致命的になります。


進行性に悪化させる病巣が、脳以外にないことが十分な検査で確認されており、予想される生存期間が約5か月以上と考えれられる状態である。

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   「脳以外の癌病巣がコントロールされている」

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3㎝以上あれば、手術で摘出、その後に放射線治療+化学療法

3㎝以下あれば、放射線治療/化学療法

       (場所によっては、3㎝以下でも手術する事はあります)

          


原発巣(進行している)、全身に転移がある、多発性脳転移

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「脳以外の癌病巣がコントロールされていない」

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手術による状態悪化の可能性が高い(手術を受けてもメリットがない)

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    保存的治療(脳浮腫治療)/放射線治療/化学療法

 


癌(がん)の転移性脳腫瘍が認められた際の予後は極めて悪いです(平均生存期間は、10か月前後。脳腫瘍が、5㎝位までに大きくなると致命的になります。腫瘍の増大していく期間も早く、2㎝の腫瘍でも数か月で2倍以上の大きさになると報告されています。


  • 日常の生活(日常動作)に大きな支障がない事
  • 高齢者でない(<60歳)
  • 癌病巣がコントロールされている事(原発巣が消失している)
  • 脳以外に転移巣がない

 

これらが全くない時は、かなり予後は不良です。

 


癌(がん)が見つかったら、他に転移しているかをきちんと検査する。

癌(がん)治療後にも転移巣がみつかる事があるので、定期的な検査をした方がよいでしょう。